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さんらく苑では、ケアの質向上のため「ノーリフティング」を合言葉に、2015年より介護リフトの導入を段階的に進めています。
「ノーリフティング」とは、福祉器具の力を借りて「介護する人もされる人も楽にする」ことをめざす概念で、海外では積極的に推進されています。
機器導入にあたっては、2013年より介護スタッフとケアマネージャーで委員会を立ち上げ、じっくり検討を重ねてきました。
現場では、他職種で協議した上でご利用者さまの残存能力を見きわめ、リフトを活用すべき場面を慎重に決定します。
これまで人力による介助では、不安感や痛みなどで体がこわばってしまっていたご利用者さまも、リフトには安心して身を委ねられると好評。スタッフ間でも「体の負担が減った分、ケアに意識を注げる余裕ができた」という声が多く上がっています。
また、安全な運用のために、スタッフ間で定期的にリフト操作の安全点検を行うなど、細心の注意を払っています。
介護リフト設備(2019.4現在)
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天井走行型リフト(4台)
天井に設置したレールに沿って、4人部屋の室内を縦方向・横方向に走行します。
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自走型リフト(2台)
キャスターが付いており、本体が移動できます。
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鴨居型(浴室)リフト(1台)
2本の支柱で支えたレールに沿って、水平方向に走行します。
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据置式リフト(5台)
ベッドサイドに設置して、支柱を中心にアームが回転します。
Voice Interview
ご利用者さまへインタビュー2007年ご入居 Hさま
Q:リフトを使った移乗に抵抗はありませんでしたか?
A:はい。10年前にくも膜下出血を患って体に麻痺が残ってからは、ベッドと車いすを行き来するたびに2人がかりで介助してもらっていましたが、リフトになってからは私も楽になりましたし、職員さんの体も楽になったと聞いてうれしいです。
Q:リフトの乗り心地はいかがですか?
A:ハンモックに乗っているみたいで、初めての時も怖いと思いませんでしたよ。窮屈さも特にないですし、ハワイに来たみたいやなあって言って笑ってるんです。
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私たちの役割は、ご利用者さまに尊厳ある暮らしをおくっていただくためのサポートをすること。
そのために私たちは、人生の大先輩に対する敬意を忘れず、ご本人やご家族の不安やご要望に寄り添いながら日々のケアを行っています。
丁寧な言葉遣いや、笑顔での呼びかけを心がけながら、まごころあるコミュニケーションを大切に。おかげさまで「ここのスタッフは元気で明るいね」とのお声をいただくことがとても多い苑です。
さんらく苑の強みは、介護・医務・事務などさまざまな専門性を持ったスタッフが連携して発揮するチームワークです。ベテランも若手も、よりよいケアのために積極的に意見を出し合い行動できるのは、離職率が低く長年一緒に働いているメンバーが多い環境だからこそ。
現場では、ご利用者さまの体調や日々の暮らしぶりなどをタブレットPCを活用して記録・共有し、たとえ小さな異変でも、気になることはすぐにご家族に連絡できる体制をとっています。
Voice Interview
ご利用者さまご家族へインタビュー2001年ご入居 Fさまのご家族
Q:お母さまがさんらく苑にご入居を決められた理由は?
A:80歳を過ぎたあたりから、骨粗しょう症が進んで足腰が弱くなり、家でひとりで過ごすことに本人も不安を感じるようになって。当時さんらく苑さんはオープンしたてで、スタッフさんもお若かったけれど、とても丁寧に敬意をもって接してくださるのが、家族から見てもありがたかったです。
Q:これまでで一番の思い出は?
A:2018年9月に100歳を迎えた時、区の職員さんが表彰に来られるのに合わせ、スタッフさんがわざわざ紅白の幕を飾って一緒に祝ってくださったんです。家族からすると、表彰状は郵便で受け取れば十分と思っていたんですが、スタッフさんが「ご本人もきっと喜ばれますから」と言ってくださって。そんなサプライズのおかげで、母も、いい笑顔を見せてくれてうれしかったです。
Q:さんらく苑の魅力とは?
A:まず何よりスタッフさんの人柄。それから苑内の生活の充実に力を入れていて、食の楽しみも豊富ですし、毎月いろんな行事があったり、日々の様子をこまめに知らせてもらえるのもありがたいです。母はよく私や弟に「あなたたちも年を取ったらここでお世話になるといいわ」と言っていたぐらいなんですよ。
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「食事がおいしい」というお声が多いのも当苑の特長。
適切な塩分やカロリー、栄養のバランスに気を配りつつ、和洋中のバラエティに富んだ献立で、多彩な食材を目でも舌でも楽しんでいただけるよう、管理栄養士と厨房スタッフが日々工夫を重ねています。
ご利用者さまごとの食のカルテ「食事箋」がこまめに更新されており、病状に応じた展開食(減塩食・糖質制限食・きざみ食など15種)に的確に対応できるほか、苦手な食材を避ける配慮も万全です。
また毎月のお誕生日や行事には、テーマや旬に合わせたごちそうメニューが登場。さらに月1回、懐メロをBGMにケーキセットを味わいながらおしゃべりを楽しめる喫茶室が登場するほか、冬季にはご利用者さま同士で鍋を囲む会も開かれます。
そんな中で、ふだん小食な方が旺盛な食欲を発揮されたり、ふだん寡黙な方が意外な素顔を見せてくださることもあり、食がつなぐコミュニケーションの大切さをスタッフも実感しています。
Voice Interview
ご利用者さまへインタビュー2018年ご入居 Tさま
Q:さんらく苑の食事はいかがですか?
A:今いただいているのは普通食ですが、味付けがほどよくて口に合いますし、献立がバラエティ に富んでいて、いろんなおかずが楽しめるので満足しています。
Q:とくにお好きなメニューはありますか?
A:好き嫌いがないのでなんでもおいしくいただいてますが、食事以外に3時のおやつもあって、 シュークリームとかどら焼きとか、ちょっとしたものが出るのが楽しみですね。
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さんらく苑では、介護スタッフが複数のチームに分かれ、年間のさまざまな行事やレクリエーション、クラブ活動を企画・運営しています。
人手不足が叫ばれる介護業界にあって、当苑のように年間のイベント数が100を超す施設は珍しいかもしれません。
しかし私たちは、変化や発見に富んだ時間を過ごしていただくことは、充実した毎日に欠かせないと考えています。
毎月、お正月や七夕、敬老会などの季節行事のほかに、お誕生日会を開催。外出が可能な方には、春のお花見や定期的に行う外食なども人気です。いつもの部屋着から外出着に着替えて、外の空気やにぎわいに触れることで、ご利用者さまの表情も生き生きとして会話が弾みます。
また料理クラブやカラオケクラブ、書道クラブなども定期的に行い、ご利用者さま同士の交流を促進しているほか、市民ボランティアの方々が音楽や舞踊などのお楽しみを提供してくださっています。
Voice Interview
ボランティアさまへインタビュー歌ボランティアのみなさま
Q:ボランティアはいつから?
A:私たちは45年来の主婦仲間なんですが、ご近所のさんらく苑さんにご縁があって、2009年から毎月1回通っています。
Q:毎回、どんなプログラムを?
A:1時間のプログラムで、まず最初は発声練習から。それから10曲ほどの課題曲を、みなさんでマイクを回しながら歌います。「お富さん」などの懐メロが人気ですね。そのあとは振り付けを取り入れた音楽レクリエーションで体を動かし、最後は「ボケない音頭」と「ボケます音頭」で盛り上がるのがお約束です。みなさんとっても和気あいあいとされていますよ。
Q:長年休まずボランティアを続けてこれた理由は?
A:みなさんの笑顔や「ありがとう」「また来てね」っていう言葉に、こちらが逆に元気をもらえてるからでしょうね。長年通っているから入居者の方ともすっかり顔なじみですし、スタッフさんもとても明るいから毎回来るのが楽しみなんです。
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さんらく苑があるのは、地下鉄御堂筋線「あびこ」駅から徒歩3分、JR阪和線「我孫子町」駅から徒歩10分の、活気ある町なか。交通機関を利用して面会に来られるご家族にも便利な立地となっています。
また、近所にはさまざまな商店が軒を連ね、少し足を延ばせば天王寺の大型ショッピングモールや長居公園などにすぐ行けるため、外出が可能なご利用者さま向けのお出かけプランもご用意しやすくなっています。
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人工的な延命治療よりも、自然な最期を望まれる方が少しずつ増えている昨今。
さんらく苑では、終末期をここで迎えたいと望まれるご利用者さまのうち、急性期の症状がなく、点滴、注射、吸引、胃ろうなどの医療的措置を必要としない方、医師が施設内での看取りが可能と判断した方を対象に、看取りのケアを行っています。
苑内で過ごす終末期は、たとえるならばご自宅で最期を迎えるようなもの。私たちはこまめに経過観察をし、ご家族と連絡を密にしながら、ご本人の旅立ちを静かに見守ります。これまでのところ、苑内で看取りさせていただいたケースは、退所される方の約10~15%ほどと、決して多くはありませんが、見送られたご家族様は大切な方とのお別れを受け入れられているようでした。私たちはこれからも生と同等に尊厳ある「死」を、ご家族とともに大切に見つめていきます。
〒558-0011 大阪市住吉区苅田5丁目16-10
TEL:06-6606-3100
地下鉄御堂筋線「あびこ」駅 徒歩3分 /
JR阪和線「我孫子町」駅 徒歩10分
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